あなたへのエール

Profile さとう北舟さん[本名:佐藤英雄さん]

1943年 北海道・羅臼生まれ。60年代にロサンゼルス・オティス美校、シカゴ美校大学院で美術を学ぶ。専攻はリトグラフ。78年にシカゴ国際フォークアート展の日本代表に選出。シカゴアーティストギルド賞、サンバーナディーノ美術館賞など多数受賞。2000年からは北舟美研「M.B.W.S.」を主宰。今も幅広い創作活動に携わっている。

掲載 うみ 2012年 vol.10

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さとう北舟さんへ 息子 佐藤拓さんから

僕は子供の頃、家族に連れられアメリカへ渡り、カルフォルニア→シカゴ→ボストン→ニューヨークと幼少時代を過ごしました。父は創作活動を中心に、母はパートを中心に生計を立てていました。それで僕と妹を養っている訳なので、決して裕福とは言えない生活です。最後の数年はニューヨークの公立小学校へ通い、3年生から4年生になるときに日本へ戻りました。と言っても、大都会のニューヨークから真逆にあるような父の古里、知床は羅臼町へ転校です。"ひらがな" すら読めない状態でいきなり小学4年生です。もちろん授業は理解不能。教頭先生とのマンツーマン授業で一気に4年分詰め込みました。

悠々自適に家族をあっちこっち連れ回すような父ですから、ご想像がつくかもしれませんが、父の最上位的な価値は自分の好奇心に赴くことです。世間の常識に捕われなければ生きて行けないという発想はみじんもありません。そして社交的でアグレッシブで、良くも悪くも非常識です。ただ、何より子供たちの成長を楽しんでいるような、そんな父親です。そして次に外せない価値は「マクロビオティック」の理念でしょうか。

そんな父の詩画集を仕上げました。インターネットで "sunpica" と検索して頂ければ一番上に出てきます。作品の一部がご覧頂けます。こんな自分勝手な生き方もありなのかと呆れる反面、勇気が出る人もいるかもしれません(笑)。

さとう北舟さんへ 娘 佐藤えつこさんから

父をひと言で言うと、"真のアーティスト"だと思います。私が物心ついた時から、父は常に絵や詩をかいていました。

父は、いつも自分の身体のことをそっちのけにして、毎日何十時間もやりたい絵を描いている人で、私は子どもながらに心配でたまりませんでした。でも私自身が30代になり、いろんな仕事に取り組む中で、「父はもっと若くから自分のやりたいことを貫き通して、世界で挑戦してきたのだ」と思うと、私にはそんな勇気はないなと、今はとても尊敬しています。

一方で、ずっと好きなことをしてきたから、これからの人生は一緒に苦労してきた母のことを一番に思って、めいっぱい幸せにしてあげてほしい。二人の今後の楽しい人生を、心から願っています。

父の愛情は、幼い頃から充分すぎるほど伝わってきて、おかげで私は今も幸せです。私にとって父は、母と同様にずっと大好きで、この世で一番大切な人です。

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透析を受けている方のためのライフスタイル誌 うみ