新旧の魅力が息づく文化発信都市 東京文化百景

掲載:2012年 vol.09

江戸の時代から、独自の文化を生み出し世界に発信し続けてきた、日本の首都「東京」。
今回はその歴史と今から、新旧それぞれの魅力をたどります。
テーマは、東京の「眺望」「美」「創造」「学び」。
そこには時代を超えて輝く、確かな伝統ときらめく革新の融合がありました。

2k540×御徒町
新しいクリエイションを生む 現在の“ARTISAN” - 職人 -

 JR秋葉原駅と御徒町駅を結ぶ高架下に位置する、アトリエショップ「2k540」。中にはジュエリーや傘、雑貨など「ものづくり」をテーマにした49店のテナントが入居し、その多くがショップ内に工房を併設しています。施設の目的は、秋葉原と御徒町間に人の流れをつくり出すことと、高架下を有効活用して地域活性化につながること。若い作り手と買い手のコミュニケーションが生まれる場で、買い手に 本当のものの価値 を知ってもらう。そして作り手にとってもこの場所を足掛かりに成長できる、ステップアップのための貴重な空間になっています。

2k540のメインストリート。左右にショップが立ち並ぶ。

2k540のメインストリート。左右にショップが立ち並ぶ。

上質でカラフルな傘が人気、「東京ノーブル」の花田さんと裕子さん(左)。豊かなメッセージ性で身に付ける人の心を装うジュエリーデザイナー、「2mOa」の森山さんと益子さん(右)。

上質でカラフルな傘が人気、「東京ノーブル」の花田さんと裕子さん(左)。
豊かなメッセージ性で身に付ける人の心を装うジュエリーデザイナー、「2mOa」の森山さんと益子さん(右)。

“世界に一つだけの傘”をカスタマイズできる、傘の専門ショップ「東京ノーブル」。生地と柄が選べ、長さも調整してくれる。

“世界に一つだけの傘”をカスタマイズできる、傘の専門ショップ「東京ノーブル」。生地と柄が選べ、長さも調整してくれる。

2人のアーティストが、独自のテーマで展開するジュエリーショップ「2mOa」。感性に響くコンセプトとデザインが魅力。

2人のアーティストが、独自のテーマで展開するジュエリーショップ「2mOa」。感性に響くコンセプトとデザインが魅力。

福岡県の高取焼を受け継ぐ、鬼丸雪山窯元の茶入れ。

福岡県の高取焼を受け継ぐ、鬼丸雪山窯元の茶入れ。

江戸時代に栄えた
職人の町「御徒町」

 「2k540」がある地域周辺は、以前は御徒町と呼ばれ、江戸時代には職人が多く住んでいました。中でも、江戸べっこうや東京仏壇、東京三味線、和服裁縫、錺物を扱う職人が多く、彼らが住む長屋があったといいます。現在「御徒町」という名は、JRの駅名に残るのみになりましたが、地域で育まれた職人の魂は、今の “ARTISAN” たちにしっかりと受け継がれています。

今は、JRの駅名にその名を残すのみとなった「御徒町」。周辺には、アメヤ横丁(通称:アメ横)の商店街がある。

今は、JRの駅名にその名を残すのみとなった「御徒町」。周辺には、アメヤ横丁(通称:アメ横)の商店街がある。

三鷹の森ジブリ美術館×東京国立博物館
ジブリ作品を満喫する癒しとアートの空間

 日々トレンドが生まれ、最新情報が行き交う東京。新しいスタイルの追求は、美術館やギャラリーも例外ではありません。主にアニメーション映像の企画・制作を行うスタジオジブリが手がける「三鷹の森ジブリ美術館(正式名:三鷹市立アニメーション美術館)」は、日本初の本格的なアニメーション美術館。2001(平成13)年に開設され、建物そのものが最大の展示物ともいえる不思議な空間としてデザインされています。オリジナル短編アニメの上映や、館内のあちらこちらで「となりのトトロ」や「天空の城ラピュタ」、「もののけ姫」などジブリ作品に登場する多彩なキャラクターを発見できます。また、アニメーションの仕組みや制作過程のわかる展示室や、図書閲覧室もあり、次代を担う子どもたちのためにつくられたこの場所には、連日世界中から入場者が訪れています。「アニメーションへの新しい見方が生まれてくる場所をつくりたい」と願って開設した館主・宮崎駿監督が目指したとおり、まさに「おもしろくて心がやわらかくなる」「楽しみたい人は楽しめ、考えたい人は考えられ、感じたい人は感じられる」美術館です。
※ジブリ美術館は日時指定予約制です。

右)美術館オリジナル短編アニメーションが上映されている、映像展示室「土星座」。左)屋上に展示されている、「天空の城ラピュタ」のキャラクター・ロボット兵は、大人も子どももファンが多い。

右)美術館オリジナル短編アニメーションが上映されている、映像展示室「土星座」。
左)屋上に展示されている、「天空の城ラピュタ」のキャラクター・ロボット兵は、大人も子どももファンが多い。

三鷹の森ジブリ博物館の、中央ホール。まるで外国の洋館に迷い込んだよう。

三鷹の森ジブリ博物館の、中央ホール。まるで外国の洋館に迷い込んだよう。

常設展示室「映画の生まれる場所」。1本の映画ができるまでのひらめきや苦しみ、映画づくりの過程を見ることができる。

常設展示室「映画の生まれる場所」。1本の映画ができるまでのひらめきや苦しみ、映画づくりの過程を見ることができる。

圧倒的な重厚感に
140年の歴史を感じて

 日本で最古の博物館である東京国立博物館は、1872(明治5)年に上野恩賜公園に創設されました。今年で開館140周年を迎える同館は、本館・平成館・法隆寺宝物館などの展示館と資料館、その他の施設からなり、重厚感あふれるその建築や四季折々の風景を楽しめる庭園は圧巻。収蔵品の総数は11万件以上で、国宝や重要文化財も多く収蔵しています。関東大震災や二度の世界大戦などの難局を幾度も経て、現在の博物館の運営の基礎を築いたという点でも、日本の博物館史において重要な役割を果たした同館。訪れる人を悠久の時へとタイムスリップさせる、圧倒的な迫力と魅力があります。

東京国立博物館・本館では、縄文時代から江戸時代まで、名品で日本の美術史をたどる「日本美術の流れ」などを展示している。

東京国立博物館・本館では、縄文時代から江戸時代まで、名品で日本の美術史をたどる「日本美術の流れ」などを展示している。

7世紀の宝物を数多く含む古代美術コレクション「法隆寺宝物館」。明治時代に奈良・法隆寺から皇室に献納され、戦後国に移管された作品を展示している。

7世紀の宝物を数多く含む古代美術コレクション「法隆寺宝物館」。明治時代に奈良・法隆寺から皇室に献納され、戦後国に移管された作品を展示している。

壮大な吹き抜けが印象的な、本館エントランスホール。大理石や花崗岩が用いられた重厚な空間。

壮大な吹き抜けが印象的な、本館エントランスホール。大理石や花崗岩が用いられた重厚な空間。

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