新しい食べ方

理想の食事バランス

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タンパク質の食材は手のひらに乗る60gを目安に。

 体の健康維持に欠かせないタンパク質は、肉や魚に多く含まれ、皮膚や筋肉をつくる他、全身に酸素や栄養を運んだりホルモンの材料にもなるため、生命活動のほとんどに関わっていると言えます。1食あたり60gを目安に摂取してください。「片方の手のひらに乗る分量」と覚えると良いでしょう。またタンパク質は卵や大豆製品にも多く含まれているため、好みの食材や組み合わせで幅広いメニューが楽しめます。
 通常、タンパク質を代謝することでできる老廃物は腎臓でろ過されて排出されますが、腎機能が低下している方にはその排出が難しくなります。またリンを含んでいる食品が多いため、やはり摂取量には注意が必要です。しかし量を減らしすぎると、かえって栄養不足に陥ることも。タンパク質の摂取基準を知る成分の一つであるアルブミンは、血漿中の値が少なくとも3.5g/dlは必要だと言われています。日頃の食事では、これらの適正量を守りながら、おいしく食べられる工夫をしましょう。

野菜は生でも大丈夫。果物や芋類の量は少なめに。

 野菜は、1食につき2〜3品を目安に、たくさん食べましょう。分量は120g程度が理想です。野菜を多く食べると満腹感が得られ、タンパク質の摂りすぎを抑えられるメリットもあります。よく「透析をしていると生野菜を控えた方が良い」と言います。確かに大根や白菜など、ゆでることでカリウムが水に溶け出し、食材そのもののカリウム値が下がる野菜もありますが、ゆで野菜にするとかさが減るため、かえって食べ過ぎてしまうこともあります。果物や芋類など、カリウムが多く含まれる食材については注意が必要ですが、それ以外の野菜は生で食べても大丈夫です。タンパク質の食事量を「1」とした場合、野菜はその2倍の量を摂取してください。

総エネルギー量の半分は炭水化物で摂るのが理想。

 ごはんやパン、麺類などの炭水化物は、ぜひしっかりと食べてほしい食材です。食事の全体量は「少しもの足りないと感じる腹八分目」が良いとされていますが、炭水化物を減らしすぎると、体がやせてきます。体内の水分量が少なくなることで体重が減ることは問題ありませんが、栄養やカロリー不足によって筋肉や骨がやせてしまうと、健康維持が難しくなります。目安は1食あたり、ごはんの場合200g、パンの場合100gで、総エネルギーの約半分です。食事量についてタンパク質を「1」とした場合、炭水化物はその3倍の量が理想です。また、炭水化物や野菜よりタンパク質が多くなりがちな方は、食べる順番に配慮し、野菜や炭水化物から食べるようにすると摂取量のバランスを取りやすくなります。

監修者

監修者

藤田 寿実子 先生

和歌山透析研究会 栄養士部会(和歌山県立医科大学 病態栄養治療部)所属。チーム医療の中で透析患者の栄養管理・指導を担う。透析医学会での発表の他、関連誌への寄稿も多数。

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