透析を受けながら活躍する人々

掲載:2009年 秋 vol.01

宮成なみさん

“ごはん”ってすごい
これを仕事にしたい!

宮成なみさん

料理研究家&エッセイスト

1976年生まれ。16歳で現代の医学では治すことのできない難病「結節性動脈周囲炎」を発病し腎不全に。医師から社会復帰断念を宣告されたが、闘病生活の末、社会復帰を果たす。「食に関わる仕事がしたい!」と一念発起し、27歳で料理研究家として独立。楽しい食卓株式会社代表取締役。著書:『奇跡のごはん』『オトコをトリコにするメロメロレシピ!』

*結節性動脈周囲炎:動脈の毛細血管の周囲に結び目のような節ができる病気

16歳のときに熱がでてそのまま入院し、「現在の医学では治らない、社会復帰は無理」といわれました。人に迷惑しかかけられない自分には生きる資格がないとまで感じました。病気の進行を遅らせる唯一の治療方法が食事療法でした。退院後、すこしずつ元気になれたのは、母の作ってくれた"ごはん"のおかげです。

母は「できないことをメソメソ悲しむよりも、できることを楽しみなさい」といってくれました。体調がだんだん良くなり、自分で"ごはん"を作れるようになったとき、家族が「姉ちゃんの"ごはん"、やっぱり美味しいね」といってくれて、人の役に立てたのが嬉しくて、生きていていいんだと思いました。"ごはん"は、身体の栄養だけでなく心の栄養も作ると知り、これを仕事にしたいと思ったのです。今、料理研究家になり、かつて母がしてくれたことを、今度は私がする人になりたい。先人の知恵を形にして、後世に伝えたい。「ごはんで作る愛がある」そんな風に思うから、この命ある限り食の大切さ、命の尊さを伝えて生きたいと思っています。

2006年から透析を始めました。今は1日8時間仕事をし、家事一切をこなし、夜間透析を受け、めまぐるしいくらいです。透析は病気じゃなく怪我みたいなものだと思います。骨折したらギブスをつけ、リハビリし、動けるようになるのと同じように、透析しながら、「今、できること」をひとつずつ続けていきたいです。

宮成なみさん

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