透析を受けながら活躍する人々

掲載:2014年 vol.17

小林正知さん・小林史知さん

人は誰しも、支え合って生きている。
自立も大切、そして時には、
人に甘えることも大切。

小林正知さん
小林史知さん

ステーキ&ワインレストラン オーナー

(兄・右)小林正知さん/(弟・左)小林史知さん
正知さん・史知さんは双子のご兄弟で、1973年、栃木県宇都宮市生まれ。お二人とも学生時代から柔道にはげみ、大会などでも活躍。その後、実家であるレストラン「存じやす」を引き継ぎ経営。2012年、夏に弟の史知さんが、さらに2ヵ月後に兄の正知さんが血液透析を導入。現在も二人で厨房に立ち、地元栃木の素材をふんだんに使った、おいしく安心な料理やワインを提供している。

透析でもらった「生きる意味を考える時間」。
優等生にならず、楽しみながら生きたい。

正知私たちは双子で、現在、祖父が開いた「存じやす」というレストランを二人で経営しています。
史知珍しい店名でしょう?これは祖父が、もともと寿司店をしていた時、お客様が帰られる時に「ありがとう存じやす」と言っていたんですが、とても印象的な言葉だったので、現在のレストランにリニューアルする時に、店名にしたんです。
正知私たちは、二人とも学生時代から柔道をしていて、一時は私が140キロ、弟が120キロありました。あの頃は、1日の食事が8食でしたからね(笑)。朝食・昼食だけでも、二人で一升のお米を食べていました。寝る前にはプロテインも飲んでいましたし。
史知体調が悪いな、と感じはじめたのは、2012年の夏ごろです。もともと血圧が高かったのもあったんですが、ひどく疲れるようになって、ある日動けなくなって緊急入院しました。検査するとクレアチニン値が22でした。体格が大きいからと、当初は腹膜透析を導入して10ヶ月様子を見ました。でも、その後また体調が悪くなって、血液透析に切り替えました。

レストランの店内は落ち着いた雰囲気で、ディスプレイもおしゃれ。正知さんの奥様も、同じレストランでソムリエとして活躍されている。

正知私は、弟が入院してから2ヵ月後に尿毒症の症状が現れました。不整脈もあり、検査してもらうとクレアチニン値が、なんと26!驚きました。二人とも柔道をしていたから体力に自信があったし、仕事をしていれば「少しぐらいの疲れは気持ちで乗り切る」みたいなところはありますよね。家族にも、心配をかけまいとして言わない。だから、知らないうちに無理をしてしまっていたのかもしれません。11月に入院して、血液透析を導入しました。
史知私たちのレストランは鉄板料理がメインなのですが、その鉄板の前が、夏は60度にもなるんですよ。そういうことも、体に負担をかけていたのかな。
正知思えば、体調が悪いから、余計に暑く感じていたというのも、あるかもしれません。
史知入院中は、いろいろ悩みました。と言っても、3日間ぐらいでしょうか。切り替えが早い性格なのかもしれません。でも、また仕事ができるとは思っていませんでしたから、今の環境に心から感謝しています。
正知私は入院前後の弟の姿を見ていましたので、体調が悪くなった時から、なんとなく透析の導入を予想していたかもしれません。手術後、ほとんど悩まなかったのは弟と同じです。
史知今は兄と一緒に、素材の味にこだわって料理をしています。同時に「透析患者さんも一緒に楽しめるレストラン」を目指して、仕事に励んでいます。コース料理も用意していますが、アラカルトも充実させていますし、おまかせ料理も自慢です。お世話になっている先生(担当医師)も、いらしてくれるんですよ。
正知病院では先生が医療のプロ、店では私たちが料理のプロです。先生は私たちを「シェフ」と呼びます。互いを認め合う関係が生まれるうちに、「自立も大切、そして人に甘えることも大切」と考えるようになりました。人は誰しも支え合って生きていますから。
史知私たちは、透析を導入することで、「生きる意味を考える時間」をもらいました。優等生にならず、家族や大切な人のために、 楽しみながら生きていきたいです。

レストランのご案内

【ステーキ&ワインレストラン 存じやす】
栃木県宇都宮市中央5-9-2 TEL/028-637-4129
http://zonjiyasu.com/
地元でとれた安全で新鮮な食材にこだわるレストラン。素材のおいしさを生かした味わいで、地元栃木はもちろん、県外から訪れるファンも多数。記念日のメニューも人気。

ページトップへ