透析を受けながら活躍する人々

掲載:2012年 vol.10

さとう 北舟さん

画家として世界中で活躍。
マクロビオティックに基づく食事法も研究・実践。

さとう 北舟さん

画家

国際的に活躍され、素晴らしい美術作品で多くの賞を受賞された、さとう北舟さん。
昨年完成した詩画集に込めた思いや、長年のライフスタイルについてお聞きしました。

さとう北舟[ 佐藤英雄 ]さん
1943年 北海道・羅臼生まれ。60年代にロサンゼルス・オティス美校、シカゴ美校大学院で美術を学ぶ。専攻はリトグラフ。78年にシカゴ国際フォークアート展の日本代表に選出。シカゴアーティストギルド賞、サンバーナディーノ美術館賞など多数受賞。2000年からは北舟美研「M.B.W.S.」を主宰。今も幅広い創作活動に携わっている。

10代から熱中してきた美術の世界。
これまでの作品を、集大成に。

作品に捺す落款も、自ら篆刻で作る。大きさや材質の異なる石に、彫刻刀で印を刻んでいく。

 昨年12月に詩画集『知床らうす ニューヨーク』を出版しました。これは、家族に何かを残したいという思いで、今までの作品をまとめた本。いわば、画家としての集大成です。装丁は息子が手がけてくれました。絵を描き始めたのは中学時代。絵と詩を描く授業があって、先生に褒めてもらったのが嬉しかったんですね。それから美術に目覚めました。
 60年代にアメリカへ渡って、ロサンゼルスとシカゴで美術を学びました。その後、全米で個展を開いたり欧州へも活動の幅を広げ、国際的なアート展で日本代表として出品する機会にも恵まれましたが、 毎日がとても忙しくて。20年前に血尿が出て、その2年後に腎不全になり、透析を導入しました。さらに、透析を始めてから7〜8年後には、合併症の症状が出てきたのです。動脈硬化のほか、首と腰の軟骨が少なくなるという病気に苦しみました。今は治療で落ち着いていますが、当時は起き上がるのもつらく、一日中横になっていることも多かったですね。

専門のリトグラフの他に日本画や表装など、興味を持ったものにはすべて挑戦。「ひと通りできるようにならないと満足しないんです」と、さとうさん。写真は、日本画で用いる顔彩を調合しているところ。

マクロビオティックの食事法を実践。
元気になって、また海外へ出かけるのが夢。

詩画集にも収められている作品。海の中から水面を見上げた風景が、やさしい色彩で描かれている。

 私は、透析を導入するだいぶ以前から、ずっと続けていることがあります。マクロビオティックの考えに基づいた食事です。これは玄米を主食、野菜などを副食とすることを基本にした食事法で、東洋医療や東洋哲学のエッセンスが詰まっています。東洋医学の考えでは、腎臓は「やる気を起させる臓器」で、腎臓が弱くなると心身ともに疲れやすくなると言います。まさに、起き上がれなかった、以前の私のような状態ですね。また同じ病気でも、原因や病気に至った経緯は、個人の体質などによって異なりますから、その時どきの自分の健康状態に合わせた食事を心がけています。透析をしながらも、現在体調を保つことができているのは、食事のおかげでもあると思っています。
 今後は、腎臓移植も考えています。早く元気になって、また海外に出かけるのが夢。目下、この夏に自転車でシルクロードを完走する友人のお祝いに、ローマへ駆けつけるのが楽しみなんです。

書籍のご紹介
『知床らうす⇔ニューヨーク』 出版/株式会社美術出版社 2,100円

専門のリトグラフをはじめ、日本画や魚拓などに詩を添えた詩画集。知床羅臼への郷愁や、子どもたちへの愛情、アメリカでの生活などが、味わい深いさまざまなタッチで描かれている。

■お問い合わせ・ご購入希望の方は下記まで
株式会社ウエザロール TEL:03-3916-9102

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