透析を受けながら活躍する人々

掲載:2012年 vol.09

中村 益己さん

透析の知識や経験、人との交流を
親しみあふれるマンガで表現

中村 益己さん

イラストレーター

中村益己[ バンザイ ]さん
1965年 東京都生まれ。高校卒業後、3年間漫画家のアシスタントを務めながら絵を学ぶ。
その後、医療関係の出版社などで活躍する中、33歳で腎不全になり38歳で透析を開始。現在は透析関係の機関誌に寄稿する他、ブログなどでの透析に関する情報発信をライフワークとしている。

中村さんのブログ「透析バンザイ!!」
http://blogs.yahoo.co.jp/bannbann0821

患者の思いや医療の現状を、
できるだけ多くの人に知ってほしい。

ブログに掲載されているマンガ。親しみやすい絵とストーリーで、透析をしている人もそうでない人も、楽しみながら透析について知ることができる。

 透析患者の一人として、透析医療や患者のことを広く知ってもらいたいという思いで、2008年に『透析バンザイ』(株式会社イーホープ)という本を出版しました。これは自分の体験をはじめ、周りの患者さんやお世話になっている医療関係の方との交流を1ページに1話ずつ綴ったマンガで、私のブログでも掲載しています。
 私はもともと腎臓が弱かったのですが、高校卒業後にマンガ家のアシスタントになり、昼2時から翌朝5時まで働く生活を送る中で、体に負担がかかったんでしょうね。33歳で腎不全になりました。

自宅の制作スペースで、ブログに掲載するマンガを作成する中村さん。体調の良い時は、休憩をはさみながら、朝から夕方まで作業することも多いそう。ちなみに「バンザイさん」とは、中村さんのブログのハンドルネーム。読者の方が名付けてくれたとか。

透析とは、無理せず前向きに付き合う。
長い療養生活を続けるコツです。

自宅に導入している透析機器の前で。中村さんは夜寝る際に透析を行っている。

書籍のご紹介
『透析バンザイ』

出版/
株式会社イーホープ 945円

中村さんが透析治療を通して学んだことや感じたこと、患者同士の交流、透析に関する知識などをマンガで楽しくわかりやすく紹介している。

 その後6年間は、食事療法に取り組みました。しかし、尿毒症が進んで歩くことすらつらくなり、透析を受けることに。最初は抵抗もあり、ひどく悩みました。それでも導入とともにむくんでいた体が軽くなり、食事もおいしく食べられるようになっていくうち、無理せず少しずつ、前向きに透析と付き合っていこうと決めたんです。これは今でも、長い療養生活を続けるコツだと思っています。
 以前は通院していましたが、現在は在宅で血液透析をしています。地域差もありますが、患者さんは設備や光熱費など透析にかかる費用が問題で、通院を選択している人も多いんです。私自身、在宅透析を始めてからとても体が楽になりましたし、そうした声が多く発信されることによって、今後は在宅透析を望む患者さんがもっと増えるはず。さまざまな整備が早く進み、すべての患者さんが自分の望む治療法を取り入れられるようになることを願っています。
 そのためにも、自分の経験や学んだ知識をどんどん発信して、読んだ人に少しでも次へ進む勇気を届けられたらいいですね。

ページトップへ